あなたの野鳥撮影におけるレンズ選びをサポート致します

ニコン 300mm F4 PF ED VR 実践レビュー

 

AF-S 300mm f/4E PF ED VR を発売後すぐに入手しその後約1ヶ月間、身近な冬鳥が多いフィールド中心に撮影に赴きD7100とD800Eを用いて野鳥を撮影しました。サンプルやその時の使用感をできる限り客観的にレポートをしていきますが、個人的な経験に基づいてのコメントもありますので、あくまでも一例として参考程度に読み進めて頂けると良いと思います。少しでも皆様の野鳥撮影におけるレンズ選びの参考になれば幸いです。

 

 

 D7100 + TC-17U装着 実写撮影サンプル
まずは『 TC-17EU 』を装着して撮影を行いました。AF-S&中央1点の組み合わせのみAFが有効とカタログでは謳われているセッティングですが、非常に軽量な上に800mm近い焦点距離を4.5段の手振れ補正がサポートしてくれるという、筆者も楽しみにしていた組み合わせです。それでは作例と共に使用感を述べて行きたいと思います。ちなみに、全画像全て手持ち撮影です。
※サンプルは全てトリミング無し、露出補正、輪郭強調、コントラストなど画像調整済み。

 

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン モズ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン モズ

 

この時はモズまでの距離が20m以上はありましたが、遠距離の被写体でもシャープネスはまずまずの写りだと思います。タムロンの150-600よりはもちろんシャープですし、AF-S 80-400mm VR +TC-14EV と比べても負けることはないでしょうが、私を含め大砲レンズの写りを知っている人からすると、純正の単焦点で最新型のナノクリレンズであるならばもう少しくっきり写って欲しいというのが正直な感想です。

 

光量が多少残っている条件でしたので、手振れしないようにSSは1/250を確保しましたがISO500でもD7100はかなりノイズの多い印象があります。このレンズはVRが強力なのでしっかり構えれば1/30でもきっちり撮れます。余裕があればISO感度を落として撮るとよいでしょう。

 

モズ : 6000×4000 ピクセルのFULL画像はこちら
※7.53MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン アオゲラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン アオゲラ

 

続いて被写体まで50mはあろうかという距離で撮影したアオゲラです。樹木に残雪があって雰囲気は抜群でした。ただ、APS-C機に1.7倍テレコンを付けてここまで遠い被写体を撮影するとどうしても野鳥はペタッとした立体感のない画像になってしまいます。シチュエーション的にとても近づくことはできませんので、撮れただけでもヨシとしなければなりませんが、こういうシーンではやはり純正大砲レンズであれば・・・という思いがよぎります。

 

口径の小さいレンズですので遠距離の被写体への立体感は期待できませんが、シャープネスはさすがに単焦点という写りはしてくれたと思います。種類がわからない野鳥に出くわしたときなどはとりあえずシャッターを切っておいて、後でじっくり調べるというのにも使えそうです。

 

アオゲラ : 4000×6000 ピクセルのFULL画像はこちら
※7.53MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ヒヨドリ

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ヒヨドリ

 

ヒヨドリが間近+逆光の位置でじっとしていたので、PFレンズにおいてよく議論されるフレアのテストをしてみました。特に嘴の部分に大きな光の反射があるので、ここにフレアが出るのではないかと思いながらシャッターを切りましたが、特に気になるような現象は見られません(※フレア低減処理は行っていません)でした。

 

ただ、テレコンの影響もあるでしょうが全体としてヒヨドリの体が陰になっている部分が全体的にもやがかかったような写りをしており、コントラストを上げて引き締めましたが、これは通常のナノクリレンズよりも遥かにフレアっぽい写りになってしまっていると思います。野鳥撮影においては大きな光源ではフレアが気にならなくても、全体としてはやはり強い逆光での撮影は苦手なレンズだと思います。

 

ヒヨドリ : 4000×6000 ピクセルのFULL画像はこちら
※5.89MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 D7100 テレコンなし 実写撮影サンプル
続いてテレコンを外して素の『 300mm f/4 + APS-C機 』という状態で撮影を行いました。1.7倍テレコン装着時は軽量な遠距離セットとしてはよいのですが、やはり周辺部のAFでなかなかピントがこなかったり、AFの迷いも頻発し更に動作が遅いので非常にイライラすることも多々ありました。テレコンを外すとどこまで状況が変わるのか踏まえてレポートします。

 

 

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ニコン新型34VR テレコンなし ジョウビタキ

 

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ニコン新型34VR テレコンなし ジョウビタキ

 

完全に日が暮れた時刻に、ほぼ毎日このジョウビタキ雌はこの枝にとまります。恐らく塒が近くにあるのでしょう。あらかじめ、撮影ポジションを決めておいたのでしゃがんだままじっと彼女がやってくるのを待ちました。

 

この時は、日没後で暗かったこともあるのですが、テレコンを外していてもAFがかなり迷いました。-2EV対応のAFシステムじゃなかったっけ?と思わず自分の記憶を疑うくらいピントがなかなか来ません。AFスピードもテレコンなしな割には想像以上の遅さ(キヤノン機 + 純正レンズならこの程度の暗さではここまで遅くならないという印象)で、ジョウビタキが飛び立ってしまわないかとかなりイライラしていました。D7100は周辺部の測距点が非常に使いにくく、純正レンズでも中央に近い(出来れば中央15点のクロスセンサー)測距点を使うのが望ましいカメラです。

 

後にD800Eの作例でもお話しますが、APS-Cの1.5倍望遠効果というのはセンサーの話であってAFシステムにはむしろより条件が厳しくなるという事が言えると思います。測距点のひとつひとつがフルサイズのカメラよりも相対的に大きくなるので、このような小さい被写体にピンポイントでフォーカスを当てるのが難しいのでしょう。キヤノン機のようにスポットAFのような1点のフォーカスポイントをより小さくするようなシステムがニコン機にも欲しいところです。欲を言えば外側にもクロスセンサーが欲しいので時期モデルでの改善を期待しています。

 

ただし、手振れ補正の効果はとまりものではさすがの性能を発揮してくれました。日没後の暗い条件でISO800以下で手持ち撮影が出来るのは非常に撮影の幅が広がります。

 

ジョウビタキ : 6000×4000 ピクセルのFULL画像はこちら
※9.18MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR テレコンなし クイナ

 

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ニコン新型34VR テレコンなし クイナ

 

D7100での最後の作例はクイナです。この時はこのレンズの機動性が発揮されました。クイナという野鳥はほぼ常に茂みの中に居て姿が見えづらいのに加え、非常に警戒心が強いです。この新型34VRは非常に軽量なレンズなので、筆者はそれを活かして胸元でレンズを前に向けて構えながらとてつもなくゆっくりとフィールドを歩くことにしました。

 

こうすることで、野鳥がこちらを警戒する前に足音などで被写体を発見しそのまま撮影に移ることができます。機材をストラップでぶら下げていたりすると、野鳥を発見しても構える動作でクイナに警戒されてしまうので、胸元でレンズを前に向けながら歩くことが非常に有効ではないかという考えがあったのです。タムロン150-600でも構えながら歩くというのは体力的に相当厳しい動作なのですが、新型34VRなら体への負担を極力減らしてそれが出来るのです。

 

結果はご覧のとおりです。5m近くまでクイナに警戒されることなく近接しテレコンなしの状態で撮影が出来ました。手前に葦の草がかかりましたが、少しづつ動くことでクイナに警戒されず空いた隙間まで移動し撮影できたのも三脚使用などでは到底難しい事です。D7100とこのレンズの組み合わせは筆者の中ではやや印象が悪かったのですが、この時は駆動ミラーが小さいAPS-Cならではの静かな連写音が効果的でした。クロスセンサーで被写体をできるだけ捉えるように構図を考えながら、SSは動きが大きいので1/250を確保。何とか止まって欲しいと向こうに居なくなるまで連写し続けました。

 

感度が高いので画像は荒れていますが、これだけ近距離で撮影できるとさすがのシャープネスと立体感のある映像が得られます。このレンズはとにかく軽量と言われていますが、野鳥撮影ではその機動力を被写体に近接することに活かすことが、最もこのレンズらしいイメージが得られるのではないかと思います。

 

クイナ : 4000×6000 ピクセルのFULL画像はこちら
※7.48MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 D7100 で新型34VRを使用した感想
実は、購入した当初からずっとD7100とD800Eを両脇にぶら下げてとっかえひっかえ撮影していたのですが、次第にD7100を使わなくなってしまい作例自体が徐々に撮れなくなる状況になっていました。

 

最大の理由は不安定かつ低速なAFによるものですが、1.7倍テレコンを使用するとAFポイントが中央付近しか有効に機能せず、テレコンを外すと野鳥が小さくて相対的にフォーカスポイントが大きくなるAPS-C機ではこれまたAFが有効に機能しないというものでした。これは1.4倍テレコンを使用したなら大きく印象が変わってくると思いますので、D7100でこのレンズとの組み合わせでは野鳥撮影では使えないということではありません。

 

ただ、1.4倍テレコンでこのレンズのAFが有効に使えたとしてもレンズ自体は420mmの焦点距離にしかなりませんから、レンズ+テレコンで30万円近い出費をするならタムロンや新発売となるシグマの150-600mm+D750辺りのカメラを購入するほうが、野鳥撮影における汎用性が高く多くの野鳥カメラマンにはこちらの組み合わせの方が満足いただけるかと思います。

 

 

 

 

 

 D800E + TC-17U装着 実写撮影サンプル
D7100に引き続き、D800E ( + TC-17EU )を用いても実際に野鳥を撮影しました。まずは『 TC-17EU 』を装着してのサンプルです。D7100との比較では有効のAFポイントが15点とカタログでは謳われているセッティングで、バッファも多くD7100よりは撮影しやすい組み合わせではないかと思い撮影を行ってきました。こちらも、全画像全て手持ち撮影です。
※サンプルは一部画像においてトリミングあり、全画像にてレタッチ調整済み。

 

 

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ニコン新型34VR D800E エナガ

 

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ニコン新型34VR D800E エナガ

 

動きが素早く通常高い頃の枝ばかり移動するために撮影しにくいエナガですが、1羽が目線の枝に降りてきました。数少ない撮影チャンスですが、D800EのAFは1.7倍テレコンを使用してもきっちりとエナガにピントを合わせてくれました。

 

やはり、D7100と比べても外側の測距点の信頼性が大幅に高く、AFはやや遅いものの瞬間的な飛びモノでなければ AF-C で十分にエナガの動きに対応できていると感じました。これならカラ類やメジロなども十分にテレコン装着で撮影ができると思います。

 

エナガ : 4454×6681 ピクセルのFULL画像はこちら
※8.22MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ベニマシコ

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ベニマシコ

 

撮影中に突如の土砂降りとなりましたが、コンパクトな機材のため傘をさしたままでも移動が余り苦痛にならず、しばらく探索を続けることにしました。そこに、ラッキーなことに抜けた枝に突如ベニマシコがペアでやってきました。こういう場所にはなかなかとまらないので、雨天ならではの出来事だったかもしれません。

 

ただ、残念なことに手振れ補正を過信しすぎて1/30で撮影した画像が全て微ブレを起こしていました。傘を差しながらでの不安定な体勢でVRは十分な効果を発揮できませんので、改めてしっかりとしたホールディングが重要だと思いなおしたメモリアルな1枚です。

 

ベニマシコ : 4545×6817 ピクセルのFULL画像はこちら
※12.0MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン コゲラ

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン コゲラ

 

日没30分ほど前にコゲラを見つけました。しばらく観察を続けると木の穴に入り込んで頭だけ出して様子を見ていました。日没前に奥に引っ込んでしまいそのまま出てこなかったのでどうやらここが彼の塒だったようです。

 

写真の見た目以上に高所に塒の穴があるので、相当見上げる姿勢で撮影しなければなりませんでしたが、付近の樹木にこちらも寄りかかって仰角体勢の手持ちでシャッターを切りました。被写体が小さくISO感度は出来るだけ下げたかったので、補正効果の大きいVR機能は非常に頼もしい限りです。1/30でも何とか見られるレベルでシャープに撮ることが出来ました。

 

コゲラ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※6.42MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン クイナ

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン クイナ

 

日没を完全に過ぎて帰ろうというタイミングで、ひょっこりクイナが葦原から姿を現しました。クイナは半夜行性のため暗くなってから行動することも多い野鳥です。肉眼ではクイナかどうかもよくわからないのですが、とりあえずシャッターを切ってみました。

 

ISO6400でもSSは1/25という暗さになっていましたが、強力なVRのおかげでシャープに撮ることが出来ています。ここまで夜に近い雰囲気の野鳥写真を手持ちで撮影できるとは、と、近年の撮影機材の進化に驚いた一枚となりました。

 

クイナ : 7360×4140 ピクセルのFULL画像はこちら
※11.8MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

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ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ジョウビタキ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ジョウビタキ

 

このジョウビタキもD7100のクイナの撮影で行った、胸元で機材を構えたまま超ゆっくりと歩く撮影方法で近接して撮影しました。こちらが脅かさないように気をつけてゆっくり動けば、これだけ間近にいてもリラックスしてくれる事があります。ジョウビタキのポイントである腰付近の鮮やかな橙色をアピールできるイメージが撮れました。

 

また、最短1.4mまで撮影できることもこのレンズの大きなポイントです。もちろんこの時はフォーカスリミッターを『 Full 』の設定に切り替えています。超近接が可能かつ最短の短いレンズなので、高額な大砲レンズを超越したこれまでにない新鮮なイメージをたくさん撮れるのではないかとワクワクしたシーンです。

 

ジョウビタキ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※11.4MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 D800E テレコンなし 実写撮影サンプル
続いてテレコンを外して素の『 300mm f/4 + フルサイズ機 』という状態で撮影を行いました。さすがにこの組み合わせは野鳥撮影ではかなり短い部類に入りますので、超近接撮影を試みるよりは遠景で野鳥の居るフィールドを写しつつ、被写体は小さいながらもシャープに写して印象付けるというイメージが主体になると思い撮影を行いました。

 

 

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ニコン新型34VR テレコンなし シロハラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし シロハラ

 

例の、超スロー撮影を試みているときに不意に間近にやってきたシロハラです。私は動かずにじっとしながらそのまま撮影に入れたのでシロハラはこれだけ近くてもまったくこちらを警戒しません。

 

鳥が小さいイメージですが、これでもシロハラまでの距離は5m以内です。テレコンを外したD800Eで撮影するとピント面は恐ろしくシャープで、背景もワイドレンズらしく非常に複雑かつ美しいボケ味になります。APS-C機や長いレンズ、トリミングを多用していては決して得られないクオリティの高さを感じました。300mmレンズの写りと言うのは本来こういうイメージを言うのかなと考えされられた1枚です。

 

シロハラ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※6.67MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR テレコンなし ヒヨドリ

 

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ニコン新型34VR テレコンなし ヒヨドリ

 

ブロッコリー畑に群れていたヒヨドリを発見しました。群れを表現したかったのでワイドで撮れるD800E+テレコン無しをセレクトしています。更に複雑な動きをとめて表現したかったのでISO感度を上げて画像が荒れていますが、ヒヨドリの良い表情を得ることが出来ました。

 

元画像は縦位置で撮影しましたが、背景が明るめの煩い感じが強かったので横位置にトリミングしています。ピントが浅く高画素のフルサイズで撮影しているので、これだけトリミング量を増やしても十分に見られる画像ではないかと思います。

 

ヒヨドリ : 4912×3684 ピクセルのFULL画像はこちら
※5.58MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR テレコンなし マガモ

 

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ニコン新型34VR テレコンなし マガモ

 

寒い日の早朝に池に行くとマガモが凍っていない部分に群れていました。しばらくすると、水面の一部が解け始め氷と水の通路ができるような感じになりそこをマガモが通り始めました。その通路にマガモが集結したところでF値を16まで絞ってシャッターを切りました。多くの被写体が居たので、どれか1羽にピントを集中するか絞って複数羽にフォーカスするか迷いましたが、このくらいの数が居るならばと思い切って絞る選択をしています。果たして皆さんならどうされたでしょうか。

 

マガモ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※15.3MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR テレコンなし ヤマガラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ヤマガラ

 

まだ雪の残る標高の高い山に出かけました。残雪があるので、野鳥は殆どおらず期待はずれでしたがヤマガラが出迎えてくれました。ヤマガラは警戒心が薄い野鳥なのでどうせならとテレコンを外して撮影しました。偶然にもつららが出来ている樹木の上にとまってくれたのですかさずレリーズ。カワセミの飛込みなどの極限的な瞬間シーンではテレコンなしでもちょっと厳しいかなと思う新型34VRのAF速度ですが、不意なシーンでのピントあわせは高速かつ正確です。

 

ヤマガラ : 4454×6681 ピクセルのFULL画像はこちら
※10.5MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR テレコンなし キジ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし キジ

 

鬱蒼とした茂みで近くに水場があるので、野鳥が多いポイント付近にやってきた時のことです。こういうところでは、レンズを胸元に構えながら超ゆっくり歩くスロー撮影が効果的でそのモードで探鳥していました。何か小鳥でも出てこないかなと思ったら、少し脇の茂みに姿が見えたのは雄のキジでした。そのまま、ゆっくりと機材を目線まで持ち上げてファインダーを覗くとキジが茂みから出てきます。てっきりコチラの姿に驚いて逃げるのかと思いきや、えっ!と思うのもつかの間目の前を横切りしかもややこちらに向かって歩いてきました。

 

キジは警戒心が強い野鳥とずっと思っていましたが、ズンズンこちらに向かってきて3〜4mくらいまで近づいてきたところで茂みの入口を見つけそこに入っていきました。私はずっと動かずファインダーを覗いてレリーズし続けていましたが、こちらを警戒する様子は全く無く悠然と奥に消えていきました。この新型34VRのおかげかどうかはわかりませんが、この機材を使うようになってから野鳥を見つけてから機材を構えるまでのモーションが如何に野鳥に警戒されるかということに気づきました。野鳥に警戒されずに機材を扱うことが出来る軽量かつコンパクト設計。これこそが、ニコン新型34VRの野鳥撮影における最大のメリットだとD7100のクイナの撮影に続いて更に思いを強くしました。

 

SS1/250で、余りにもキジが近いのでブレがあるかと思ったのですが、ブレよりもピントの方があっていませんでした。近距離でやや暗かったことと、斜めにコチラに向かってくるというピント的にも厳しいシーンであったことが理由として上げられます。また、構図的にキジが画面に入りきらないので、一番端のAFポイントを使わなければならなかったことも大きな理由のひとつです。

 

キジ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※12.0MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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ニコン新型34VR テレコンなし ヒヨドリ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ヒヨドリ

 

最後の作例はワイドのヒヨドリです。この固体はこの近辺を縄張りにしているようで、いつ行ってもおおよそこの付近で過ごしている姿が見られました。雰囲気のある樹木で休んでいるときに、300mmのフルサイズでイメージにするべく少しづつにじり寄って撮影を行いました。

 

ピント面を見ていただきたいのですが、野鳥が小さいイメージにも関わらずヒヨドリが恐ろしくシャープです。これは、例えばAF-S 80-400mm VRとかのズームレンズにおける300mm領域で撮影しても絶対に得られないイメージです。ワイドな野鳥が居る風景的な写真をとるのに、この新型34VRは非常に適していると思います。ワイドな野鳥写真は相当な前準備や偶然が重ならないとなかなかシャッターを切る気にはならないのですが、このレンズであれば携帯にも困らないので、常に車に積んでおくとか、バックに入れておくとかが非常に行いやすいと思います。

 

ヒヨドリ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※13.3MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 D800E で新型34VRを使用した感想
D7100との比較では、とにかく扱いやすくこちらの組み合わせばかりを結果として使用していました。一番の違いはAFで、外側の測距点でも安定したフォーカスが可能であること、APS-C機との比較でAFポイントの大きさそのものが小さいので狙ったポイントにきっちりピントが持ってこれること、バッファの容量が大きいこと、軽量&コンパクトさを活かしてスロー撮影を試みれば、APS-C機の拡大効果は恩恵が少ないこと。などがあげられます。

 

ワイドなイメージを狙うにもやはりフルサイズが有利ですし、近接できたときのイメージもフルサイズが高品位で、高感度画質でもフルサイズが有利なので、D7100を使う意味はシャッター音が小さいことくらいしかなくなってしまいました。D800Eはシャッター音が暴力的に大きいので、スロー撮影で近接してもシャッター音で驚かしてしまうことがたびたびありました。これらの事から、ニコン新型34VRの本当の最適な機材は静穏連写モードが極めて秀逸なD810であると思います。D4sも悪いとは思いませんが、やはり大きめのシャッター音が近接撮影時に非常に不利になると思います。

 

また、D800Eでは1.7倍テレコンでもAF機能には大きな不満がありませんでしたので、特にフルサイズ機でこのレンズを使うときは、1.4倍テレコンを付けっぱなしで撮影するより状況に応じてテレコンなしと1.7倍テレコンを併用するほうが作品の幅が広がると思います。私の作例やコメントが少しでも皆さんの機材選びの参考になれば幸いです。

 

 

 

 

AF-S 300mm f/4E PF ED VR はどこで買う? 

 

発売したばかりで非常に入手困難な当レンズですが、カメラ関連の小売業に10年以上勤務した筆者の観点からオススメのショップをご紹介しておきます。

 

 

とにかく早く入手したい方
仕入力の強いヨドバシカメラ、ビックカメラがおすすめです。仕入れ量が多く、安さを追及する購入者は購入対象店から外れる(ポイント還元制のため)ので相対的に入手しやすいお店ということになります。

 

ヨドバシカメラでAF-S 300mm f/4E PF ED VR を見てみる

ビックカメラでAF-S 300mm f/4E PF ED VR を見てみる

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安く入手したい方
キタムラネットショップが低価格販売かつ仕入量が多い法人でオススメです。店舗が全国的に多く購入者が相対的に多いため、入手のタイミングはヨド・ビックより遅れる可能性が高いです。郊外にお住まいの方で、アフターが心配で通販を利用したくない方もキタムラ店舗が近くにあるなら理想的なセレクトになります。買取も行っていますが、マップカメラとは比較にならないくらい低額買取のケースが多いです。

 

キタムラネットショップでAF-S 300mm f/4E PF ED VR を見てみる

 

 

下取りがある方
マップカメラが断然有利です。そもそも買取価格が他法人と比べて高く、キズなどがあっても減額しないワンプライス買取も実施しています。価格もキタムラネットショップとほぼ同じ値段で販売していますし、延長補償制度が極めて優れているのでアフターが心配な人にも安心しておすすめできるお店です。筆者も機材は殆どマップカメラから購入していますが、人気のお店でもある為、新商品や人気商品はなかなか手に入りにくいのが難点です。

 

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