あなたの野鳥撮影におけるレンズ選びをサポート致します

シグマ 150-600 Contemporary インプレッション

 

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary キヤノン用を発売後すぐに入手できました。わずか1週間・合計15時間程度ですが、身近な冬鳥が多い(時期的に個体数が少なく困難でしたが)フィールド中心に撮影に赴き『 EOS 6D 』・『 EOS 70D 』・『 EOS 5D MarkV 』を用いて、実際に野鳥を撮影してみました。

 

使用期間が短いため、サンプル画像のクオリティも低く、使用感などもまだまだ多くはコメントできる状態にありませんが、サンプルをいち早く見たい方のために拙速ですが客観的にレポートをしていきます。

 

個人的な経験に基づいてのコメントも多々ありますので、あくまでも一例として参考程度に読み進めて頂けると良いと思います。少しでも皆様の野鳥撮影におけるレンズ選びの参考になれば幸いです。

 

 

 EOS 6D 実写撮影サンプル
今回は『 EOS 6D 』をシグマ 150-600 Contemporary レンズに装着して撮影を行いました。EOS 6D は、高精度AF・高感度画質・静穏シャッター・軽量ボディなど、野鳥撮影には極めて優れた性能を備えた筆者お気に入りのカメラであり、タムロン150-600mm とも非常に相性が良かったことから、シグマ 150-600 Contemporaryでもこの組み合わせを最初に使ってみることにしました。(今回のレポートではUSBドックでの調整は一切行っていません。)

 

何しろ撮影時間が短すぎるので、サンプルも大したものは提供できませんが、5472×3648ピクセルのフルデータもご用意しましたので参考にして頂ければ幸いです。なお、今回も全て手持ちにて撮影しています。

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary ジョウビタキ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary ジョウビタキ

 

冬鳥らしい冬鳥の多くは渡去してしまい、初日の土曜日はなかなか被写体が見つけられないまま日没を迎えてしまいました。帰り際にかろうじて近くにジョウビタキが出てくれたのでシャッターを切らせてもらいました。

 

ここまで近距離ですと、純正大砲レンズと比べてもそん色ない描写性能だと言えるでしょう。600mmの焦点距離ながら最短2.8mまで寄れるので、不意に近距離に野鳥が現れても下がる必要なくどアップでの撮影も可能です。タムロン150-600との比較は後日詳細画像と共にアップしますが、印象としてはほぼ互角といって良いと思います。

 

ジョウビタキ : 3648×5472 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※4.11MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary カワセミ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary カワセミ

 

続いて、30メートル先の枝に来たカワセミを撮りました。普段はここまで遠い被写体ではなかなかシャッターを切りませんが、サンプル用としては非常に良い位置に来てくれました。こちらは、先のジョウビタキより更にあとの時間帯に撮影しましたので、SSを1/30まで落としてひざの上に左ひじを載せて固定することを意識して手持ちで撮影しました。

 

20枚程度シャッターを切ったところでカワセミは飛び去ってしまいました。タムロン150-600では、上記方法でもとてもSS1/30ではとめることは無理でしたが、シグマ 150-600 Contemporary では4〜5枚程度、見られる画像が撮れていました。AFは精度の高い中央1点でフォーカスロックして撮影していますが、これも30mも離れている被写体の割にはよくピントを拾ってくれていると思います。手振れ補正・AF精度は今のところタムロン150-600より良い印象です。

 

遠距離の被写体に対する描写は、タムロン150-600と互角、純正大砲レンズにはとても及ばないという印象です。とはいえ、実売12万程度のレンズの描写力としては十分過ぎる性能です。

 

カワセミ : 5472×3648 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※3.92MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary シロハラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary シロハラ

 

続いて2日目の日曜日、早朝の短時間のみですが別の冬鳥が多い公園に行きました。ここでもやはり多くの冬鳥は渡去しており、被写体探しは困難でしたが何とか数枚サンプルを拾うことが出来ました。

 

すぐそばに居るのに気づかず驚かせてしまい、枝に逃げ込んだシロハラです。手前の緑と枝の形が面白かったので驚かせて申し訳ないと思いつつもシャッターを切らせてもらいました。

 

朝早い時間帯で陽の光が届かず暗い事と最短2.8mのピント範囲が広いことが重なり、このシグマ 150-600 Contemporary レンズでもタムロン150-600と同様にピントが固まって動かなくなる状況が頻発しました。これは、ピントが手前の位置に来ている状態(大デフォーカス状態)から遠距離側にピントが向かう途中で迷ってしまう事が原因と思います。

 

ピント可動範囲が広いレンズでは純正レンズ(旧100-400ISなど)でも稀に発生しますので、サードパーティレンズだからということではないと思います。『 ∞ 』側からAFを駆動させると回避できますし、フォーカスリミッターで手前側にピントを来させないようにするのも有効です。フォーカスリミッターはデフォルトでは『 FULL 』『 10m-∞ 』『 2.8-10m 』の3種類のリミッター設定が出来ますが、小鳥類の撮影は5m前後に被写体が来る事もありますので、これは USBDOCK で『 5m-20m 』あたりにリミッター設定ができるならば、相当使い勝手が良くなるのではないかと思います。これはタムロン150-600には出来ないので、シグマ 150-600 Contemporary を積極的に選ぶ大きな理由となるでしょう。

 

シロハラ : 5472×3648 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※4.35MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary ベニマシコ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary ベニマシコ

 

続いて、雌ですが面白い感じの枝で新芽をついばむベニマシコに出会いました。この程度の小さい被写体で、背景の方が明るい場合はピントが合いにくいのですが、EOS 6D の-3EV対応の中央測距点であれば、なんとかピントを掴むことが出来ます。

 

ただ、やはり順光よりは精度が落ちるため、できればマニュアルフォーカスでピントを微調整したいシーンなのですが、このシグマ 150-600 Contemporary レンズはマニュアルフォーカスが非常にやりづらい印象を持ちました。ピントリングが手前にあるのはまだ良いのですが、動きがとにかく硬くて力を入れないと回らないし、力を入れると回りすぎてしまうので微調整がとてもできず、結局マニュアルフォーカスは諦めフォーカスロックをした後で自分が前後に動くことでピント調整をしました。

 

AFだけで撮影する人には余り関係がないかもしれませんが、マニュアルフォーカスで微調整できるか否かは、高いところにいる被写体や・遠距離・暗いところでの撮影などピント精度に不安がでる場面で大きな効果があります。タムロン150-600はマニュアルフォーカスが非常にやりやすく、純正レンズと同じ感覚で使えるので非常に重宝していました。

 

ちなみに、シグマ 150-600 ContemporaryにはAFに『 MO 』モードという、ピントリングをまわすと瞬時にMFに切り替わる機能が付いていますが、タムロン150-600ではAFモードそのものがこの『 MO 』モードと同様にピントリングをまわすと瞬時にMFに切り替わるので、AFに関しては実用上機能的な差はないといってよいでしょう。

 

 

ベニマシコ : 5472×3648 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※4.26MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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シグマ 150-600 Contemporary エナガ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary エナガ

 

今回、最後の画像はエナガです。巣材を探しに来ているところを撮らせてもらいました。順光とはいってもとにかく機敏に動き回る小鳥ですから、AFでピントを合わせるのには苦労しましたが、EOS 6D は高速でAFを駆動してくれるボディなので何とかベストの一枚を得ることが出来ました。

 

後日ストップウオッチで計測したデータをアップしますが、今回の印象だけで言えばAF速度に関してはリミッターを効かせない状態ならばタムロン150-600と互角で大差ないと思います。

 

 

エナガ : 5472×3648 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※3.39MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 EOS 70D 実写撮影サンプル
続いては『 EOS 70D 』をシグマ 150-600 Contemporary レンズに装着して撮影を行いました。EOS 70D は、低価格・軽量かつAPS-C機の高画素カメラなので、この組み合わせでの野鳥撮影を検討されている方も多いのではないかと思います。今回も僅か3〜4時間程度の短い時間でしたので、サンプルも大したものは提供できませんが、5472×3648ピクセルのフルデータもご用意しましたので参考にして頂ければ幸いです。なお、今回も全て手持ちにて撮影しています。

 

 

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シグマ 150-600 Contemporary キジ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary キジ

 

EOS70Dで、シグマ 150-600 Contemporaryを使用した第一印象は、『 野鳥との距離がとても近く思える 』ということです。しばらくニコン34VRを使っていましたのでその影響も大きいですが、とにかく野鳥にそれほど近づかなくてもある程度の大きさで撮れますし、34VRの感覚で居ると鳥が大きすぎて困るくらいに感じることもかなりの頻度でありました。

 

薮中にいたキジの雌がこちらに向かってきたので、ジッとしていれば目の前に出てくるかも… … … 案の定、目の前をスタスタと通り過ぎてくれました。身動きしなければ相当近くに居ても警戒されないので、キジが藪中から出てくる前にレンズを構えておく必要がありますが、比較的軽量なシグマ 150-600 Contemporaryでは、構えたままである程度の時間はキープできます(もちろん個人の体力差はありますし、やりすぎは姿勢が悪くなりますが)。

 

ついにははみ出るほどの大きさまで近くに来てくれましたが、背景が煩いのでズームで引く事はせずあえてはみ出させることでキジのメスの表情に集中して撮影しました。フルサイズではもっと近くに来てくれなければ、中途半端なイメージになってしまうのでトリミングして処理していたと思います。軽量かつ大きく撮れるので、構図の練習用としてもAPS-C機とシグマ 150-600 Contemporaryの組み合わせはなかなか良いのではないでしょうか。

 

 

キジ : 5472×3648 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※4.85MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

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シグマ 150-600 Contemporary シメ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary シメ

 

つづいて、暗所で餌を探すシメに出会いました。迂闊にも存在に気づかず驚かせてしまったのですが、ゆっくり歩いていたことが幸いし余り遠くには逃げずに近くの倒木の上にとまりました。

 

暗い場所でしたが、この早春のシメならではの白銀の嘴が目立っていたのでこれは大きく撮りたいと思いゆっくりとにじり寄りました。これ以上近づいたら嫌がられるというラインまで来たので静かにレリーズを開始します。APS-C機なので暗所での高感度使用は躊躇われますが、まだ手振れ補正の効き具合を試している段階でしたので比較的高めの感度をセレクトしています。次のSS1/30のシロハラと比較して頂きたいのですが、やはりこの程度のSSがあればOK画像を拾う確立が格段にあがります。特に小鳥類は動きが機敏なので、大きく撮るときはあまり低速SSはセレクトしないほうが良いでしょう。

 

また、EOS70Dは-0.5EVまでしか対応しないAFなので、このような暗所ではフォーカス精度的には厳しい条件ですが、ある程度野鳥が大きく撮れることで今回はピント精度には問題がありませんでした。ただ、AFスピードに関してはかなり落ちてくるので、暗所かつ動きの激しい被写体となると条件的にはフルサイズ機の方に軍配が上がると思います。

 

シメ : 5472×3648 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※4.85MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary シロハラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary シロハラ

 

このシロハラは、この近辺をテリトリーにしているようなので現地に行くとほぼ毎回撮影が可能です。行動パターンがある程度わかる固体なので、思い切りSSを落として手振れ補正のテストをすることにしました。

 

1/30で50枚くらいレリーズしたでしょうか。しゃがんでひざ上に左腕を載せてかなり固定を意識して撮りましたが、一番止まっていると思われる画像がこのサンプルです。やはり、先のSS1/250のシメと比べると低速SS特有の微ブレが見られます。シロハラはツグミと同様にピタッと動きがとまるタイミングが多い野鳥なので、被写体ブレの可能性はとても低いと思います。タムロン150-600ではこのSSではとても止まらないので、シグマ 150-600 Contemporaryの手振れ補正の方が優秀といってよいとは思いますが、この画像で OK なのかダメなのかは個人差があるのではないでしょうか。

 

 

シロハラ : 5472×3648 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※3.01MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary アリスイ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary アリスイ

 

EOS 70D に シグマ 150-600 Contemporary の組み合わせのテスト撮影中に初見の野鳥に出会いました。居るとうわさには聞いていましたが、なかなか見つけることのできなかったアリスイです。茂みのなかをヒョコヒョコ動くのでアオジかと思っていたら、なにやらシルエットが違います。はやる気持ちを抑えつつも、警戒されないようにゆっくりと近づきます。どうしても開けて所には出てくれなさそうなので、やむなく茂みの隙間から静かにレリーズさせてもらいました。

 

薮中に居る野鳥でもある程度大きく撮れるならば、ボケでごまかしたりトリミングで不要な部分をカットすることもやりやすくなります。本来は縦位置にトリミングして使いたい画像ですが、今回はサンプル提供が目的ですのであえてトリミングしていないイメージのまま掲載します。大きく撮れる組み合わせの機材と茂みの隙間をダイレクトに狙いやすい手持ち撮影ならではの写真となりました。

 

アリスイ : 5472×3648 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※4.26MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary コゲラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary コゲラ

 

EOS 70D 最後のサンプルはコゲラです。目の前でコツコツと木々を移動していたのでAIサーボにカメラを設定変更し、フォーカスリミッターも『 2.8 - 10m 』に切り替えて撮影に臨みました。

 

どんどん移動しながら近づいてくるので、ファインダーにコゲラが見えてもすぐに移動されて見えなくなってしまうような状況でしたが、すぐにズームアウトしてワイド側に切り替えると居場所がすぐにわかります。ファインダー内に収めたらまたズームアップしてコゲラの頭部を強調するようなイメージの瞬間を狙いました。

 

今回のこのコゲラのようなカットが、このシグマ 150-600 Contemporary ならではの性能を最も活かしたイメージではないかと思いました。ズームによる瞬間的な被写体の捕捉・手前側に設定できるフォーカスリミッター・APS-C機 + 600mm + 最短2.8m ・枝込みを避けながら被写体を追い続けられる軽量ボディ、これらの性能のどれ1つが欠けても得る事が難しいイメージです。たかがコゲラの写真ではありますが、頭部の赤をここまで表現するのはなかなか難しいのではないでしょうか。これが撮れた時はこの組み合わせを今日使っていて本当によかったと思いました。

 

コゲラ : 3648×5472 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※5.18MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 

 EOS 5D MarkV 実写撮影サンプル
最後は『 EOS 5D MarkV 』をシグマ 150-600 Contemporary レンズに装着して撮影を行いました。ボディだけで30万円近くもする高級機ですので、この組み合わせでの野鳥撮影を検討されている方は価格バランス的に少ないのではないかと思い作例の用意は一番最後になりました。

 

今回も合計僅か7〜8時間程度の短い撮影時間でしたので、サンプルも大したものは提供できませんが、5760×3840ピクセルのフルデータもご用意しましたので参考にして頂ければ幸いです。なお、今回も全て手持ちにて撮影しています。

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary アカゲラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary アカゲラ

 

EOS 5D MarkVでは、シグマ 150-600 Contemporary のピント精度を中心に検証しました。このように順光で条件がよくても、被写体まで50mもあるような被写体の場合、タムロン150-600 とキヤノン機の組み合わせではどうしてもピント精度に不安が付きまとい(ニコン機は余り不安がありません)、マニュアルフォーカスによる微調整やライブビュー機能を使うなどの”ひと手間”を必要とすることがありました。

 

シグマ 150-600 Contemporaryにおいては、何度か遠距離の被写体をAFで撮影しましたがいずれも高確率かつ高精度でピントが合う印象があります。これはボディとの相性もあるかもしれませんが、これまで使用してきた『 EOS 6D 』・『 EOS 70D 』・『 EOS 5D MarkV 』のいずれの機種でもピント精度はタムロン150-600を上回る印象がありました。Made in japan かつ、MTF測定器で全数検査を受けてから出荷されていることで、固体ごとのばらつきが少ないのではないかと考えられます。USBDOCKやカメラ内のピント調整機能は全く使っていませんが、使用しなくともきっちりピントが来る確立がとても高いように思いました。

 

ただ、ピントがあっていたとしても写りはやはり値段なりのものです。純正大砲レンズと比較するのは酷というものでしょう。手持ちでサッと構え、AFでピントを合わせてすぐにレリーズするだけで、50m先のアカゲラをここまでの描写力で撮影できるというサンプルです。この抜群の機動力こそ シグマ 150-600 Contemporary の真骨頂です。この画質でご満足いただけるか、やはり純正でなければと思われるかは個人差があると思いますので、フルデータのサンプルを是非ごらん頂ければと思います。ちなみに、筆者の場合は シグマ 150-600 Contemporary のこの写りとピント精度には予想外なほど良い印象がありとても満足しています。軽量であることを踏まえると、今後純正54ISUの出番はかなり減るとさえ思っています。まさかのメインレンズに昇格です。

 

 

アカゲラ : 3840×5760 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※6.52MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary ルリビタキ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary ルリビタキ

 

続いて、渡去間近のルリビタキの若い雄に出会いました。日没直前で暗い森の中での撮影であることと、ピントが浅くルリビタキが向こうを向いているため、トマリモノでもやや難易度の高いシチュエーションでした。

 

ルリビタキが向こうを向いているということは、普通に体にAFポイントを合わせると前ピンになってしまいます。頭部にしっかりとAFポイントを合わせなければならないので、手持ち撮影では手振れ補正の効きが特に重要であり、更に何度かAFを駆動させないと思いどおりのピントが来ません。 シグマ 150-600 Contemporary は純正ほどではありませんが手振れ補正もタムロン150-600よりよく効くのでファインダー像の安定度も高く、手持ちでもルリビタキの頭部にAFポイントをしっかり固定できました。更に、『 2.8 - 10m 』に設定できるフォーカスリミッターが今回も非常に有効でした。AF速度はかなり落ちましたがリミッターのおかげでAFの再駆動までの時間を短くすることで、ピントを外してもすぐにリカバリーが可能です。

 

これをタムロン150-600でやろうとすると手振れ補正の効きが弱い上に、リミッターが使えない距離でAFがフル駆動になってしまうので、暗所では一度ピントを外すとリカバリーに相当の時間がかかります。モタモタしているうちにチャンスを逃してしまう可能性も十二分にあったのではとこのルリビタキを撮影しているときに感じました。

 

 

ルリビタキ : 3840×5760 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※5.00MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary モズ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary モズ

 

最後は、桜並木のそばで営巣していたモズのサンプルです。稀に餌を捕りに行く前に雄が桜の樹にとまるのを過去に見ていたので、桜が咲いたら是非狙おうと事前から撮影計画を練っていたものでした。早朝以外の時間帯は人が通りやすくなるのでモズが桜にとまらず、また、晴天では桜の美しさが損なわれるので開花がピークになる前後の曇天の早朝に勝負をかけることにしていました。

 

そして、その絶好の狙い目のタイミングの日がやってきました。ドキドキしながら現地に向かいます。人さえ来なければモズは桜に一度はとまるだろうと思っていたのですが、着いたら五分もしないうちに巣から出てきて桜にとまりました。その時撮影したのがこのサンプルです。

 

被写体までは遠かったのですが、アカゲラのサンプル等でピント精度はある程度信頼できると思っていたので、サッと手持ちでフレームインし、AFでスッとピントを合わせます。すぐに飛び去ってしまったので撮影したのはわずか20枚くらいでしたが、後半のカットはモズが向こうを向いてしまい画にならず、結論としては僅かに後ピンではありますが、その時最初にレリーズしたカットがベストの一枚となりました。その後、1時間以上その場で待ちましたがモズは全く桜にはとまらず、人通りが増える時間帯に入ったので撮影を終了しました。翌日は晴天のピーカンで撮影は諦め、翌々日は強風で花びらが相当に散ってしまいました。来年以降、この桜並木のそばでモズが営巣するかはわかりませんので、そう考えるとなかなか貴重な一枚をゲットできたと思っています。

 

 

モズ : 5760×3840 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※3.89MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 まとめ
わずかな期間での探鳥でしたが、ここまでの感想としてはタムロン150-600とほぼ同じ扱いやすさ・写り・価格を備えながら、ピント精度が良く、手振れ補正も効くのでヒット率がとても高いというのが大きなポイントだと思いました。

 

6D最後のエナガや70D最後のコゲラのような動きまわる被写体をタムロン150-600のVCで追うと、手振れ補正が誤作動して1/1000のSSでもブレが発生することがありましたが、シグマ 150-600 Contemporaryではもちろんそんな現象はありません。

 

オートフォーカスはリミッターが無ければ、動き・速度はタムロンとほぼ互角。ただリミッターの設定値がとても秀逸で、野鳥がとても近いときは手前側『 2.8 - 10m 』にも設定できるのは非常に嬉しい機能です。マニュアルフォーカスがやりづらい(筆者の感覚では事実上無理)のは大きなマイナスポイントですが、特に5DMarkVでのアカゲラのサンプルにあるような遠距離の被写体に対してもピント精度が良いのが好印象(いくらピントが良くても写りは大砲レンズに敵いませんが)です。Made in japan かつ、4,600万画素Foveonセンサーを用いたMTF測定器「A1」で全数検査を受けてから出荷されているというのもうなずけました。さらにUSBDOCKを使えばかなり詳細にAFのピント位置を設定できるようですが、筆者は今のところピント調整をする必要を感じません。

 

あとは、やはりズーム位置を600mm側でロックできるのは便利でした。特に上を向いて撮るときにタムロン150-600ではレンズが下がって落ちてこないように支える必要がありましたが、シグマ 150-600 ContemporaryではロックするだけでOKです。いつの間にか550mmくらいになっていたという事も防げます。ロックをしていても少し力を入れて回せばそれだけで解除できるので、急な被写体の出現時にも慌てることはありません。常に600mm側でロックして移動しても大丈夫です。ズームのロックはどの焦点距離でもできるわけではなく、『 150/180/200/250/300/400/500/600 』の8箇所のみですが、これも余り大きな問題ではないでしょう。

 

一部の方から シグマ 150-600 Sports 発売時にレビューをやらないのかとのお話もありましたが、筆者は最初から入手対象から外していました。重量が3kg近くもあるので金額面を無視すると純正54ISUとほぼ重量が変わらず魅力を感じなかったのが理由です。先月ニコンの34VRを入手しましたが、こちらは非常に気に入っていてやはり機動力の高い生き物である野鳥(特に小鳥類)を撮るには、機動力のある機材が一番だと最近は感じています。

 

このシグマ 150-600 Contemporary も軽量で機動力は抜群ですしなにしろ価格が安い、そしてピント精度も良く強力な手振れ補正を備え、これまで散々オススメしてきたタムロン150-600の事実上の強化モデルと捉えて頂いてよいなと、わずかな期間ですがファーストインプレッションとして皆様にお伝えできればと思います。随時、記事内容の更新は行っていきますので、また機会がありましたら訪れてみてください。

 

 

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