あなたの野鳥撮影におけるレンズ選びをサポート致します

ニコン 300mm F4 PF VR 実践レビュー(D800E編)

 

D7100に引き続き、D800E ( + TC-17EU )を用いても実際に野鳥を撮影しました。サンプルを用いてその時の使用感をできる限り客観的にレポートをしていきますが、個人的な経験に基づいてのコメントもありますので、あくまでも一例として参考程度に読み進めて頂けると良いと思います。少しでも皆様の野鳥撮影におけるレンズ選びの参考になれば幸いです。

 

 

 D800E + TC-17U装着 実写撮影サンプル
まずは『 TC-17EU 』を装着してのサンプルです。D7100との比較では有効のAFポイントが15点とカタログでは謳われているセッティングで、バッファも多くD7100よりは撮影しやすい組み合わせではないかと思い撮影を行ってきました。それでは作例と共に使用感を述べて行きたいます。こちらも、全画像全て手持ち撮影です。
※サンプルは一部画像においてトリミングあり、全画像にてレタッチ調整済み。

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR D800E エナガ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR D800E エナガ

 

動きが素早く通常高い頃の枝ばかり移動するために撮影しにくいエナガですが、1羽が目線の枝に降りてきました。数少ない撮影チャンスですが、D800EのAFは1.7倍テレコンを使用してもきっちりとエナガにピントを合わせてくれました。

 

やはり、D7100と比べても外側の測距点の信頼性が大幅に高く、AFはやや遅いものの瞬間的な飛びモノでなければ AF-C で十分にエナガの動きに対応できていると感じました。これならカラ類やメジロなども十分にテレコン装着で撮影ができると思います。

 

エナガ : 4454×6681 ピクセルのFULL画像はこちら
※8.22MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ベニマシコ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ベニマシコ

 

撮影中に突如の土砂降りとなりましたが、コンパクトな機材のため傘をさしたままでも移動が余り苦痛にならず、しばらく探索を続けることにしました。そこに、ラッキーなことに抜けた枝に突如ベニマシコがペアでやってきました。こういう場所にはなかなかとまらないので、雨天ならではの出来事だったかもしれません。

 

ただ、残念なことに手振れ補正を過信しすぎて1/30で撮影した画像が全て微ブレを起こしていました。傘を差しながらでの不安定な体勢でVRは十分な効果を発揮できませんので、改めてしっかりとしたホールディングが重要だと思いなおしたメモリアルな1枚です。

 

ベニマシコ : 4545×6817 ピクセルのFULL画像はこちら
※12.0MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン コゲラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン コゲラ

 

日没30分ほど前にコゲラを見つけました。しばらく観察を続けると木の穴に入り込んで頭だけ出して様子を見ていました。日没前に奥に引っ込んでしまいそのまま出てこなかったのでどうやらここが彼の塒だったようです。

 

写真の見た目以上に高所に塒の穴があるので、相当見上げる姿勢で撮影しなければなりませんでしたが、付近の樹木にこちらも寄りかかって仰角体勢の手持ちでシャッターを切りました。被写体が小さくISO感度は出来るだけ下げたかったので、補正効果の大きいVR機能は非常に頼もしい限りです。1/30でも何とか見られるレベルでシャープに撮ることが出来ました。

 

コゲラ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※6.42MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン クイナ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン クイナ

 

日没を完全に過ぎて帰ろうというタイミングで、ひょっこりクイナが葦原から姿を現しました。クイナは半夜行性のため暗くなってから行動することも多い野鳥です。肉眼ではクイナかどうかもよくわからないのですが、とりあえずシャッターを切ってみました。

 

ISO6400でもSSは1/25という暗さになっていましたが、強力なVRのおかげでシャープに撮ることが出来ています。ここまで夜に近い雰囲気の野鳥写真を手持ちで撮影できるとは、と、近年の撮影機材の進化に驚いた一枚となりました。

 

クイナ : 7360×4140 ピクセルのFULL画像はこちら
※11.8MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ジョウビタキ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ジョウビタキ

 

このジョウビタキもD7100のクイナの撮影で行った、胸元で機材を構えたまま超ゆっくりと歩く撮影方法で近接して撮影しました。こちらが脅かさないように気をつけてゆっくり動けば、これだけ間近にいてもリラックスしてくれる事があります。ジョウビタキのポイントである腰付近の鮮やかな橙色をアピールできるイメージが撮れました。

 

また、最短1.4mまで撮影できることもこのレンズの大きなポイントです。もちろんこの時はフォーカスリミッターを『 Full 』の設定に切り替えています。超近接が可能かつ最短の短いレンズなので、高額な大砲レンズを超越したこれまでにない新鮮なイメージをたくさん撮れるのではないかとワクワクしたシーンです。

 

ジョウビタキ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※11.4MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 D800E テレコンなし 実写撮影サンプル
続いてテレコンを外して素の『 300mm f/4 + フルサイズ機 』という状態で撮影を行いました。さすがにこの組み合わせは野鳥撮影ではかなり短い部類に入りますので、超近接撮影を試みるよりは遠景で野鳥の居るフィールドを写しつつ、被写体は小さいながらもシャープに写して印象付けるというイメージが主体になると思い撮影を行いました。

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR テレコンなし シロハラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし シロハラ

 

例の、超スロー撮影を試みているときに不意に間近にやってきたシロハラです。私は動かずにじっとしながらそのまま撮影に入れたのでシロハラはこれだけ近くてもまったくこちらを警戒しません。

 

鳥が小さいイメージですが、これでもシロハラまでの距離は5m以内です。テレコンを外したD800Eで撮影するとピント面は恐ろしくシャープで、背景もワイドレンズらしく非常に複雑かつ美しいボケ味になります。APS-C機や長いレンズ、トリミングを多用していては決して得られないクオリティの高さを感じました。300mmレンズの写りと言うのは本来こういうイメージを言うのかなと考えされられた1枚です。

 

シロハラ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※6.67MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ヒヨドリ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ヒヨドリ

 

ブロッコリー畑に群れていたヒヨドリを発見しました。群れを表現したかったのでワイドで撮れるD800E+テレコン無しをセレクトしています。更に複雑な動きをとめて表現したかったのでISO感度を上げて画像が荒れていますが、ヒヨドリの良い表情を得ることが出来ました。

 

元画像は縦位置で撮影しましたが、背景が明るめの煩い感じが強かったので横位置にトリミングしています。ピントが浅く高画素のフルサイズで撮影しているので、これだけトリミング量を増やしても十分に見られる画像ではないかと思います。

 

ヒヨドリ : 4912×3684 ピクセルのFULL画像はこちら
※5.58MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR テレコンなし マガモ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし マガモ

 

寒い日の早朝に池に行くとマガモが凍っていない部分に群れていました。しばらくすると、水面の一部が解け始め氷と水の通路ができるような感じになりそこをマガモが通り始めました。その通路にマガモが集結したところでF値を16まで絞ってシャッターを切りました。多くの被写体が居たので、どれか1羽にピントを集中するか絞って複数羽にフォーカスするか迷いましたが、このくらいの数が居るならばと思い切って絞る選択をしています。果たして皆さんならどうされたでしょうか。

 

マガモ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※15.3MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ヤマガラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ヤマガラ

 

まだ雪の残る標高の高い山に出かけました。残雪があるので、野鳥は殆どおらず期待はずれでしたがヤマガラが出迎えてくれました。ヤマガラは警戒心が薄い野鳥なのでどうせならとテレコンを外して撮影しました。偶然にもつららが出来ている樹木の上にとまってくれたのですかさずレリーズ。カワセミの飛込みなどの極限的な瞬間シーンではテレコンなしでもちょっと厳しいかなと思う新型34VRのAF速度ですが、不意なシーンでのピントあわせは高速かつ正確です。

 

ヤマガラ : 4454×6681 ピクセルのFULL画像はこちら
※10.5MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR テレコンなし キジ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし キジ

 

鬱蒼とした茂みで近くに水場があるので、野鳥が多いポイント付近にやってきた時のことです。こういうところでは、レンズを胸元に構えながら超ゆっくり歩くスロー撮影が効果的でそのモードで探鳥していました。何か小鳥でも出てこないかなと思ったら、少し脇の茂みに姿が見えたのは雄のキジでした。そのまま、ゆっくりと機材を目線まで持ち上げてファインダーを覗くとキジが茂みから出てきます。てっきりコチラの姿に驚いて逃げるのかと思いきや、えっ!と思うのもつかの間目の前を横切りしかもややこちらに向かって歩いてきました。

 

キジは警戒心が強い野鳥とずっと思っていましたが、ズンズンこちらに向かってきて3〜4mくらいまで近づいてきたところで茂みの入口を見つけそこに入っていきました。私はずっと動かずファインダーを覗いてレリーズし続けていましたが、こちらを警戒する様子は全く無く悠然と奥に消えていきました。この新型34VRのおかげかどうかはわかりませんが、この機材を使うようになってから野鳥を見つけてから機材を構えるまでのモーションが如何に野鳥に警戒されるかということに気づきました。野鳥に警戒されずに機材を扱うことが出来る軽量かつコンパクト設計。これこそが、ニコン新型34VRの野鳥撮影における最大のメリットだとD7100のクイナの撮影に続いて更に思いを強くしました。

 

SS1/250で、余りにもキジが近いのでブレがあるかと思ったのですが、ブレよりもピントの方があっていませんでした。近距離でやや暗かったことと、斜めにコチラに向かってくるというピント的にも厳しいシーンであったことが理由として上げられます。また、構図的にキジが画面に入りきらないので、一番端のAFポイントを使わなければならなかったことも大きな理由のひとつです。

 

キジ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※12.0MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで横辺1200pixに拡大表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ヒヨドリ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ヒヨドリ

 

最後の作例はワイドのヒヨドリです。この固体はこの近辺を縄張りにしているようで、いつ行ってもおおよそこの付近で過ごしている姿が見られました。雰囲気のある樹木で休んでいるときに、300mmのフルサイズでイメージにするべく少しづつにじり寄って撮影を行いました。

 

ピント面を見ていただきたいのですが、野鳥が小さいイメージにも関わらずヒヨドリが恐ろしくシャープです。これは、例えばAF-S 80-400mm VRとかのズームレンズにおける300mm領域で撮影しても絶対に得られないイメージです。ワイドな野鳥が居る風景的な写真をとるのに、この新型34VRは非常に適していると思います。ワイドな野鳥写真は相当な前準備や偶然が重ならないとなかなかシャッターを切る気にはならないのですが、このレンズであれば携帯にも困らないので、常に車に積んでおくとか、バックに入れておくとかが非常に行いやすいと思います。

 

ヒヨドリ : 7360×4912 ピクセルのFULL画像はこちら
※13.3MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 D800E で新型34VRを使用した感想
D7100との比較では、とにかく扱いやすくこちらの組み合わせばかりを結果として使用していました。一番の違いはAFで、外側の測距点でも安定したフォーカスが可能であること、APS-C機との比較でAFポイントの大きさそのものが小さいので狙ったポイントにきっちりピントが持ってこれること、バッファの容量が大きいこと、軽量&コンパクトさを活かしてスロー撮影を試みれば、APS-C機の拡大効果は恩恵が少ないこと。などがあげられます。

 

ワイドなイメージを狙うにもやはりフルサイズが有利ですし、近接できたときのイメージもフルサイズが高品位で、高感度画質でもフルサイズが有利なので、D7100を使う意味はシャッター音が小さいことくらいしかなくなってしまいました。D800Eはシャッター音が暴力的に大きいので、スロー撮影で近接してもシャッター音で驚かしてしまうことがたびたびありました。これらの事から、ニコン新型34VRの本当の最適な機材は静穏連写モードが極めて秀逸なD810であると思います。D4sも悪いとは思いませんが、やはり大きめのシャッター音が近接撮影時に非常に不利になると思います。

 

また、D800Eでは1.7倍テレコンでもAF機能には大きな不満がありませんでしたので、特にフルサイズ機でこのレンズを使うときは、1.4倍テレコンを付けっぱなしで撮影するより状況に応じてテレコンなしと1.7倍テレコンを併用するほうが作品の幅が広がると思います。私の作例やコメントが少しでも皆さんの機材選びの参考になれば幸いです。

 

 

 

 

AF-S 300mm f/4E PF ED VR はどこで買う? 

 

発売したばかりで非常に入手困難な当レンズですが、カメラ関連の小売業に10年以上勤務した筆者の観点からオススメのショップをご紹介しておきます。

 

 

とにかく早く入手したい方
仕入力の強いヨドバシカメラ、ビックカメラがおすすめです。仕入れ量が多く、安さを追及する購入者は購入対象店から外れる(ポイント還元制のため)ので相対的に入手しやすいお店ということになります。

 

ヨドバシカメラでAF-S 300mm f/4E PF ED VR を見てみる

ビックカメラでAF-S 300mm f/4E PF ED VR を見てみる

icon

 

 

安く入手したい方
キタムラネットショップが低価格販売かつ仕入量が多い法人でオススメです。店舗が全国的に多く購入者が相対的に多いため、入手のタイミングはヨド・ビックより遅れる可能性が高いです。郊外にお住まいの方で、アフターが心配で通販を利用したくない方もキタムラ店舗が近くにあるなら理想的なセレクトになります。買取も行っていますが、マップカメラとは比較にならないくらい低額買取のケースが多いです。

 

キタムラネットショップでAF-S 300mm f/4E PF ED VR を見てみる

 

 

下取りがある方
マップカメラが断然有利です。そもそも買取価格が他法人と比べて高く、キズなどがあっても減額しないワンプライス買取も実施しています。価格もキタムラネットショップとほぼ同じ値段で販売していますし、延長補償制度が極めて優れているのでアフターが心配な人にも安心しておすすめできるお店です。筆者も機材は殆どマップカメラから購入していますが、人気のお店でもある為、新商品や人気商品はなかなか手に入りにくいのが難点です。

 

マップカメラ楽天ショップでAF-S 300mm f/4E PF ED VR を見てみる

 

 

 

 >>>> ニコン 34VR 性能テストへ

 >>>> ニコン 34VR 実践レビュー(D7100編)へ

 >>>> トップページへ戻る


sponsored link